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書評:梅原猛「人類哲学へ」草木国土悉皆成仏

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以下に本書「人類哲学へ」の序盤内容を整理したい。

自然環境と哲学基盤との関係性

・自然が厳しい地域では、自然と対立し、厳しい自然から一つの神に頼るようになることから一神教の文化が形成される。
・豊かな自然に恵まれた地域では、自然と共存することを志向し、全てものに神が宿るとして多神教の文化が形成される。(日本)

太陽と哲学基盤との関係性

・農耕文明では太陽を崇拝することになり、その他、水や稲などを崇拝し、自然的価値観に基づいた哲学が成熟される(日本の天照大神、エジプトのラーの神)
・遊牧する放浪文明や海洋文明では星空で位置を知ることになり、幾何学的な思考となり、自然よりも抽象的思考に重点を置くようになる

西洋哲学の流れについて

要点:意志を中心とする人間中心主義的な哲学を発展させてきた、それはヨーロッパの二源泉ともいうべきヘブライズムとヘレニズムに由来する。したがって、より自然的なエジプトの巨大な自然哲学に帰るべきであり、3000年のエジプト文明よりも長く続いた1万年の縄文時代に帰るべき

以下、独自の考察を交えたい。

里山資本主義は日本的価値観であり、草木国土悉皆成仏も日本的価値観である。
しかし、本書を読んで気づいたのであるが、それは日本的価値観なだけではなく、
本質的には全人類にあてはめることのできる価値観なのではないか。

なぜなら、自然から生まれた人間なのであるから。
真の自然的哲学である日本的価値観が人間に合致しない理由がなかろうか。

そういった意味で、日本的価値観には「世界を救う」力があると思っている。

人類哲学へ
人類哲学へ
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梅原 猛
エヌティティ出版
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