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書評要約「嫌われる勇気」1/3 - 目的論

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アドラー心理学で話題の書「嫌われる勇気」を要約してまとめたい。
三つの記事に分けて掲載していきます。
それでは第一回目「目的論」をどうぞ。

アドラーの評価

・デールカーネギー「一生を費やして人間とその潜在能力を研究した偉大な心理学者」
・スティーブンコヴィー「アドラー心理学は堅苦しい学問ではなく、人間理解の本質、また到達点として受け入れられている」

目的論

・アドラー心理学では、過去の「原因」ではなく、いまの「目的」を考えます
・「不安だから、外に出られない」のではありません。順番は逆で「外に出たくないから、不安という感情を作り出している」と考えるのです。
・目的を達成する手段として、不安や恐怖といった感情をこしらえているのです。
・「大切なのはなにが与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである」

過去に支配されない生き方

・自分の経験によって決定されるのではなく、経験に与える意味によって自らを決定する
・われわれは過去の経験に「どのような意味を与えるか」によって、自らの生を決定している。
 人生とは誰かに与えられるものではなく、自ら選択するものであり、自分がどう生きるかを選ぶのは自分なのです。
・「人は感情に支配されない」という意味において、さらには「過去にも支配されない」という意味において、
 アドラー心理学はニヒリズムの極地にある思想であり、哲学なのです。
・トラウマの議論に代表されるフロイト的な原因論とは、形を変えた決定論であり、ニヒリズムの入口なのです。
・可能性を考えるのです。もしも人間が変われる存在だとするなら、原因論に基づく価値観などありえず、
 おのずと目的論に立脚せざるをえないと。

勇気の心理学

・過去や環境のせいではなく、ましてや能力が足りないからでもない。
 ただ勇気が足りない。
・「これまでの人生になにがあったとしても、今後の人生をどう生きるかについてなんの影響もない。

全ての悩みは対人関係

・「悩みを消し去るには、宇宙のなかにただひとりで生きるしかない」
・孤独を感じるのにも、他者を必要とします。
・価値の問題も最終的には対人関係に還元される

劣等感は主観的な思い込み

・劣等感は「客観的事実」ではなく、「主観的な解釈」
・人は無力な存在としてこの世に生を受けます。そしてその無力な状態から脱したいと願う、普遍的な欲求を持っています。
 アドラーはこれを「優越性の追求」と呼びました。
・優越性の追求も劣等感も病気ではなく、健康で正常な努力と成長への刺激である
・見かけの因果律とは、本来は何の因果関係もないところに、あたかも重大な因果関係があるかのように自らを説明し、納得させてしまう。
・自慢する人は、劣等感を感じている
・権威の力を借りて、自らを大きく見せている人は、結局他者の価値観に行き、他者の人生を生きている。
・弱さは非常に強くて権力がある。
・優越性の追求とは、自らの足を一歩前に踏み出す意思であって、他者よりも上をめざさんとする競争の意思ではありません。
・健全な劣等感とは、他者との比較のなかで生まれるのではなく、「理想の自分」との比較から生まれるものです。
・対人関係の軸に「競争」があると、人は対人関係の悩みから逃れられず、不幸から逃れることができません。

仲間

・大切なのはここからです。「人々は私の仲間なのだ」と実感できていれば、世界の見え方はまったく違ったものになります。
 世界を危険な場所だと思うこともなく、不要な猜疑心に駆られることもなく、世界は安全で快適な場所に映ります。
・もしも罵倒されたなら、その人の隠し持つ「目的」を考えるのです。
 直接的な罵倒に限らず、相手の言動によって本気で腹が立ったときには、相手が「権力争い」を挑んできているのだと考えてください。
・いかなる挑発にも乗ってはいけません。
・怒りとはコミュニケーションの一形態であり、なおかつ怒りを使わないコミュニケーションは可能なのだという事実
・誤りを認めること、謝罪の言葉を述べること、権力争いから降りること、これらはいずれも「負け」ではありません。

行動面の目標

1.自立すること
2.社会と調和して暮らせること

心理面の目標

1.わたしには能力がある、という意識
2.人々はわたしの仲間である、という意識

対人関係は人生のタスク

・仕事のタスク
・交友のタスク
・愛のタスク

愛のタスク

・相手が幸せそうにしていたら、その姿を素直に祝福することができる。
 それが愛なのです。互いを束縛し合うような関係は、やがて破綻してしまうでしょう。
・人は「この人と一緒にいると、とても自由に振舞える」と思えたとき、愛を実感することができます。

嫌われる勇気
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